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時もち

「時もち」や今後の活動で私たちが実現したいこと

「時もち」や今後の活動で私たちが実現したいことについて書きます

目次

公開日: 2024年3月19日

私たちは平均で一日4時間スマホを使っている

朝起きてまずやるのは、スマホに手を伸ばすこと。1日の最後にやるのは、スマホをベッド脇のテーブルに置くこと。私たちは1日に2600回以上スマホに触り、平均して10分に1度スマホを手に取っているそうです。起きている時だけでは足りず、3人に1人が、18~24歳では半数が、夜中にも少なくとも1回はスマホをチェックするそうです。スマホは私たちの最新のドラッグであると例えられることもあるほど、私たちはスマホ中毒に陥っており、それが睡眠障害、うつ、記憶力や集中力、学力の低下など、様々な社会問題の原因となっています。

※詳しくは精神科医の方が書かれた「スマホ脳 (新潮新書)」や「ブレイン メンタル 強化大全 (サンクチュアリ出版)」などの本を読んでみてください。非常に面白いです。以下の文章はこれらの本を参考にしています。


脳は「新しいもの」と「かもしれない」が大好き

人類の歴史は600万年の進化史でみればほとんど狩猟採集時代となり、スマホやインターネットが流行したのはここ10~20年くらいの話なので、本当に最後の一瞬のようなところでバタバタと今の暮らしに変わったといえます。したがって、今も人間の脳は狩猟採集時代の仕組みに最適化されているそうです。

人間が知識を渇望するのは不思議なことではありません。周囲をより深く知ることで、生存の可能性が高まったからです。それは今では、スマホが運んでくる新しい知識や情報への欲求に向かっています。スマホのページをめくるごとに、脳がドーパミンを放出し、その結果、私たちはクリックが大好きになる。しかも実は、今読んでいるページよりも次のページに夢中になっているそうです。

ドーパミンの最重要課題は、人間に行動する動機を与えることだそうです。大抵の場合、着信音が聞こえた時の方が、実際にメールやチャットを読んでいる時よりもドーパミンの量が増える。大事かもしれないことに強い欲求を感じ、私たちは「ちょっと見てみるだけ」とスマホを手に取る。しかもこれを頻繁にやっている。起きている間じゅうずっと、10分おきに。



SNSが人生の満足度を下げる

Facebook、Instagram、Snapchat、X、TikTokをはじめとするSNSも同様に、何か大事な更新がないか、「いいね」がついていないか確かめたいという欲求を起こさせます。報酬システムがいちばん強く煽られている最中に、デジタルな承認欲求を満たしてくれます。「いいねが1個ついたかも?見てみよう」と思うのは、「ポーカーをもう1ゲームだけ、次こそは勝てるはず」と同じメカニズムで、要するに中毒状態にあります。このような企業は行動科学や脳科学の専門家を雇い、そのアプリが極力効果的に脳の報酬システムを直撃し、最大限の依存性を実現しようとしています。

睡眠を妨げないようにも、身体を動かすためのツールにも、偽情報を拡散しないようにもできたはずなのにそうしなかった。金儲けという意味で言えば、私たちの脳のハッキングに成功したのは間違いありません。こうして私たちは、ますます多くの時間をSNSに費やすようになり、そして別のことをする時間がますます減っていきます。

2000人近くのアメリカ人を調査したところ、SNSを熱心に利用している人たちの方が孤独を感じていることがわかったそうです。5000人以上を対象にした別の実験では、現実に人と会う人ほど幸福感が増していた一方で、Facebookに時間を使うほど幸福感が減っていたそうです。

インターネット上には、何をしても、自分より上手だったり、賢かったり、かっこよかったり、リッチだったり、より成功していたりする人がいます。このあらゆる次元で常にお互いを比べ合っている世界が、私たちの精神に影響を及ぼすのはおかしなことではありません。


無料のスマホアプリの製品は私たち

Facebook、Instagram、Snapchat、X、TikTokをはじめとするアプリの製品は、私たちが自由にメッセージや画像、動画をシェアし、デジタルな承認欲求を満たすプラットフォームそのものではありません。「私たちの注目」こそが、彼らの製品です。それを様々な広告主に転売できるよう、デジタルな承認を使って注目を引き、私たちからできるだけたくさんの時間を奪うことを目的としています。無料で使えてラッキーと思っていたら大間違いで、私たちの1分1秒が(広告が売れるため)黄金の価値を持っています。


シリコンバレーは罪悪感でいっぱい

Facebookの「いいね」機能を開発した本人は、Facebookの利用を自ら制限し、Snapchatの利用はやめたそうです。依存性ではヘロインに匹敵するからと言って。iPodやiPhoneの開発に携わったApple社の幹部トニー・ファデルも次のように語っています。「冷や汗をびっしょりかいて目を覚ますんだ。僕たちは一体何を創ってしまったんだろうって。うちの子供たちは、僕がスクリーンを取り上げようとすると、まるで自分の一部を奪われるような顔をする。そして感情的になる。それも、激しく。そのあと数日間、放心したような状態なんだ」

かの有名なスティーブ・ジョブズも、自宅では「iPadはそばに置くことすらしない。スクリーンタイムを厳しく制限している」と話したそうです。ビル・ゲイツは自分の子供が14歳になるまでスマホは持たせなかったそうです。

私もソフトウェアエンジニアです。私含めたIT企業の従事者は、私たちがやることが人々の健康に害を及ぼす可能性を持つことに自覚的であるべきだと思っています。


「時もち」が実現したいこと

「時もち」は、「時は金なり、時もちになれ」をスローガンにしています。私たちは健康に幸せに生きたいし、私たちの時間は有限です。

スマホにはブルーライトやSNSによる他人との比較など様々な課題がありますが、その一番の課題は、私たちの時間を奪うことです。

スマホに奪われすぎた時間を取り戻して、家族や友達と会話したり、運動したり、ぐっすり眠ったり、より健康で幸せに生きるために時間を使ってください。


スマホに依存しない生活を習慣化してほしい

「人間の思考や行動の95%は無意識である」とも言われています。太ると分かっていても食べてしまう。寝なきゃいけないのに夜更かししてしまう。運動したいのにダラダラしてしまう。

私自身も依存しやすいタイプなのでこれは実体験でもあるのですが、依存から脱するにはとにかく習慣化です。とにかく小さいことを少しずつコツコツ続けることです。毎朝30分のジョギングは辛くても、毎朝1分のウォーキングならできる気がします。それで朝一に外に出る習慣を作ることができれば、いつの間にか30分走るのも苦ではなくなったりします。

スマホについても、最初は毎日1時間だけでも良いから、スマホを使わない時間を作ってみてはどうでしょうか。おすすめは寝る前の時間帯です。寝る前にスマホを見ないようにすることで睡眠の質が改善されます。ちなみに例えば私は、Audible(散歩の時に本を聞くため)とSpotify(作業時にBGMを流すため)を除き全てのアプリを毎日「22時〜6時」は時もちで制限しています。寝る時はスマホは寝室とは別の部屋に置いています。スマホが気になっても物理的に触れなくなることで、明らかに睡眠の質が上がりました。また、仕事の休憩時間で更に疲れてしまわないように、平日「9時〜18時」も同様に制限しています。これでより仕事に集中できるようになりました。

ほとんどのことがスマホで事足りてしまう時代ですが、ただ目覚ましを止めるつもりでスマホを開いたら最後、流れるようにSNSを確認してしまいます。だったらどうすればいいか?昔ながらの目覚まし時計を置いておけば良いのです。

「時もち」の特徴

世の中には似たような機能を持ったアプリもいくつかありますが、時もちには以下の特徴があります。具体的な使い方はこちらをご確認ください。

シンプルさに拘りました

  • 制限するアプリやURLはアプリ全体で共通で一括で設定できます。ブロックの設定ごとに選び直す必要はありません。
  • クイックブロックを開始するまで、アプリを開いたら即、1タップで完了します。
  • スケジュールブロックは、「毎日」または「曜日」と時間帯を選んで追加するだけです。
  • メインの機能はこれだけです。複雑な機能は一切ありません。

ブロック解除には100円をお支払いいただきます

  • 人は「得したい」より「損したくない」気持ちの方が強いと言われています。この人間の思考の習性を、心理学の用語で「損失回避性」といいます。これを利用して、スマホを使いたい衝動・欲求(ドーパミン)に対抗します。
  • ブロック解除の際に寄付いただいた100円のうち、一部はメンタルヘルスのための活動を行う非営利組織への寄付に、残りは開発費(内15%はAppleへの手数料)にあて、すべてメンタルヘルス向上のために利用します。

気が散る機能はつけません

  • 広告はつけません。理由は言うまでもありません。
  • 最低限のプッシュ通知しか送りません。スマホは本当に見る必要がある時だけ開いてください。

お金(大金)稼ぎしようと思ってません

時もちはブロック解除しない限りは無料で使えますし、広告もありません。ブロック解除してほしいとも思っていません。お金稼ぎを目的にしてしまうと、「できるだけたくさんの時間を奪う」ことが目的になってしまい、有名SNSと変わらずメンタルヘルスに悪影響を与えてしまうことになり、本末転倒になってしまうからです。あくまでメンタルヘルスに関わる社会問題の解決に繋がればと心から思っています。

大企業でもベンチャー企業でも、ステークホルダーが増えて多くの資本が入ってくれば、どうしてもお金を稼がなければならなくなり、どんどんソーシャルグッドから離れていきます。僕らは今の所、エンジニア一人、マーケティング一人でやっており、どちらも本業や家事育児以外の隙間時間(それこそ、スマホを使わなくなった時間)を使って、自己資本だけでやっています。だからそもそも、貪欲にお金稼ぎに邁進しなければならなくなる理由がないのです。私たちには時間やお金、人手は潤沢にはないかもしれませんが、私たちの核(「時もち」になってもらい、スマホから離れてもらうために行動する点)がブレることはありません。

もちろん、完全に無償だと活動に持続性がなくなってしまうので、ある程度はお金も必要です。私たちの事業を応援したいと思っていただける方向けに、低額のサブスクリプションで利用できるプレミアム機能を提供しています。

今後の活動にも注目してください

「時もち」は私たちの成果物の第一弾です。メンタルヘルスや睡眠の改善に運動は欠かせないので、今は運動を習慣化したくなるようなアプリを構想中です。また、時もちは今後海外にも展開したいと考えています。まだまだこれからどんどん新しい機能やアプリやサービスを展開していく所存です。ぜひ、応援してください!もし何かリクエストがあればいつでもここからご連絡ください。

くぎもと としみつ

釘本 寿光

ソフトウェアエンジニア

千葉大学大学院・情報科学専攻を修了後、大手IT企業にて決済、金融、行政、公共情報に関わる様々なソフトウェア開発に従事。 仕事やプライベートでの様々な経験からメンタルヘルスの重要性を痛感し、本アプリを含めメンタルヘルス改善やその他実生活に役立つアプリを開発中。二児の父。


こいで ひろまさ

小出 紘大

マーケティング

医療スタートアップでマーケティングをしています。 岐阜県出身。メンタルが行動に影響を及ぼすことを痛感しメンタルサービスにフォーカス。職歴:ヤフー株式会社→広告の個人事業→医療スタートアップ。今は千葉の栄町に住んでいます(調布→横須賀→逗子→千葉)